AI×DX人材の育成のための「基盤構築」
講習概要
第1学期では、生成AIに関する単なる知識習得ではなく、生成AIを実際の業務へ導入する際に必要となる「判断基準」を形成する。
生成AIの技術的特性、LLM、画像生成技術、各種生成AIの特性を理解するとともに、バイアス、個人情報、情報漏えい、著作権、誤情報等の業務上のリスクを学習する。
さらに、実際の生成AIを操作し、情報整理、文章生成、発想支援等を行うことで、生成AIを「知っている状態」から「業務上の目的に応じて選択・指示・評価できる状態」へ移行する。
■ 1時間目:生成AI・AI技術の業務適用構造(60分)
学習内容
- AI、機械学習、深層学習、生成AIの技術的関係
- 従来型システムと生成AIの処理方法の違い
- AIに適した業務・適さない業務の分類
- 人間が判断すべき業務とAIへ移管できる業務の切り分け
- 業務プロセスに生成AIを組み込む基本構造
習得できるスキル
- 自身の業務を「判断」「検索」「作成」「整理」「分析」等に分解する能力
- AI適用可能な業務工程を特定する能力
- AIと人間の役割分担を設計する能力
業務上の到達点
生成AIを単なる文章作成ツールとしてではなく、業務プロセスを改善する技術として捉え、自社業務のどこへ適用できるか判断できる。
◼️2時間目:生成AIを支える技術 ― LLMの業務利用原理(60分)
学習内容
- 大規模言語モデル(LLM)の構造
- トークン、コンテキスト、確率的生成の考え方
- 指示内容によって回答品質が変化する理由
- モデルごとの性能差・特性差
- 長文処理、情報抽出、要約、推論等の処理特性
習得できるスキル
- LLMの特性を踏まえて指示方法を変更する能力
- 用途に応じてAIモデルを選択する能力
- AI出力の精度低下要因を分析する能力
- AIへ渡す情報量と情報構造を調整する能力
業務上の到達点
AIの回答をそのまま利用するのではなく、「なぜその回答になるのか」を技術特性から理解し、業務利用時の精度を管理できる。
■ 3時間目:画像生成AIを支える技術と業務利用判断(60分)
学習内容
- GAN・拡散モデル等の画像生成技術
- テキストから画像が生成される仕組み
- 画像生成における構図・画角・スタイル・質感等の指定方法
- 生成画像の品質を左右する要素
- 実写・イラスト・広告・商品イメージ等への適用方法
習得できるスキル
- 制作目的から生成条件を定義する能力
- 画像生成AIの特性を踏まえてツールを選択する能力
- 生成画像を業務利用可能な品質まで調整するための判断力
業務上の到達点
広告、営業資料、企画、商品開発、SNS、Web制作等で画像生成AIを利用する際の技術的判断ができる。
■ 4時間目:テキスト生成AIの業務機能と適用設計(60分)
学習内容
- ChatGPT、Gemini等のテキスト生成AIの機能
- 文書作成、要約、分類、抽出、比較、企画等への利用
- 業務内容ごとの利用方法の違い
- AIへの役割・目的・条件・出力形式の指定
習得できるスキル
- 業務目的に応じてAI機能を使い分ける能力
- 作業内容をAIへの指示へ変換する能力
- 出力形式や品質条件を指定する能力
業務上の到達点
営業、事務、経理、人事、企画、顧客対応等の複数職種で、業務内容に適したテキスト生成AIの利用方法を設計できる。
■ 5時間目:画像生成AIの業務活用と制作管理(60分)
学習内容
- 画像生成AIの業務別活用方法
- 広告、Web、SNS、提案資料、商品企画等への利用
- 画像生成プロンプトの構成
- 著作権・商標・肖像権等への配慮
- 生成物を利用する際の確認工程
習得できるスキル
- 制作目的を生成指示へ変換する能力
- AI生成画像を評価・修正する能力
- 法的リスクを踏まえて生成物の利用可否を判断する能力
業務上の到達点
単に画像を生成するだけでなく、実際の業務用途に合わせて生成・評価・修正・利用判断まで行える。
■ 6時間目:コード・音楽・動画等のマルチモーダルAI活用(60分)
学習内容
- コード生成AI
- 音声・音楽生成AI
- 動画生成AI
- マルチモーダルAI
- テキスト・画像・音声・動画を組み合わせた業務活用
- 各AIの適用範囲と導入判断
習得できるスキル
- 複数種類の生成AIを業務目的に応じて選択する能力
- AI同士を組み合わせた業務フローを構想する能力
- 外注・内製・AI利用を比較判断する能力
業務上の到達点
文章生成だけに限定せず、複数のAIを組み合わせた業務改善を構想できる。
■ 7時間目:AIバイアス・公平性と業務判断(60分)
学習内容
- AIバイアスが発生する仕組み
- 学習データと回答傾向の関係
- 採用、評価、顧客対応等で生じる公平性リスク
- AI回答を検証する方法
- 人間による確認が必要となる業務
習得できるスキル
- AI回答に含まれる偏りを検出する能力
- AIへ判断を委ねてよい範囲を設定する能力
- 複数視点からAI出力を検証する能力
業務上の到達点
重要な業務判断をAIへ過度に依存せず、人間による確認を組み込んだ適切な業務運用を設計できる。
■ 8時間目:生成AI利用における情報管理・プライバシー・セキュリティ(60分)
学習内容
- 個人情報・機密情報・顧客情報の取り扱い
- AIサービスへ入力してよい情報・避けるべき情報
- 情報匿名化・マスキング
- AIサービスのデータ利用設定
- 組織で必要となるAI利用ルール
習得できるスキル
- 入力情報のリスク分類能力
- 機密情報を加工してAIへ利用する能力
- 業務上必要なAI利用ルールを設定する能力
業務上の到達点
情報漏えいリスクを管理しながら、安全に生成AIを利用できる。
■ 9時間目:著作権・知的財産・フェイクコンテンツ管理(60分)
学習内容
- AI生成物と著作権
- 既存著作物を利用する際の注意点
- 商標、肖像、ブランド等への配慮
- ディープフェイク・誤情報
- AI生成コンテンツの確認方法
習得できるスキル
- AI生成物の利用リスクを判定する能力
- 公開前に確認すべき項目を設定する能力
- 不正確・不適切なコンテンツを検出する能力
業務上の到達点
社外公開物や制作物について、法務・信用リスクを考慮したAI利用ができる。
■ 10時間目:生成AIの限界・誤生成と品質管理(60分)
学習内容
- ハルシネーション
- 情報の欠落・誤解釈
- 最新情報と学習データの違い
- AI出力の事実確認方法
- AI回答を検証する複数手法
習得できるスキル
- AI出力の信頼性を評価する能力
- 根拠・出典を確認する能力
- 誤回答を検出・修正する能力
- AIを利用する工程と人間が確認する工程を設計する能力
業務上の到達点
AIの回答を鵜呑みにせず、品質管理を行った上で業務利用できる。
■ 11時間目:生成AI実務操作 ― 指示・生成・評価・修正(60分)
学習内容
- AIへの業務指示
- 条件・制約・出力形式の指定
- 文章生成
- 要約・抽出・比較
- 出力評価
- 修正指示
- 再生成
習得できるスキル
- 実業務をAIへの指示へ変換する能力
- 一度の生成で終わらず改善を反復する能力
- AI出力を目的に合わせて修正する能力
業務上の到達点
生成AIを単発利用するのではなく、「指示→生成→評価→修正」の一連の業務フローとして利用できる。
■ 12時間目:生成AIによる課題整理・発想・業務改善演習(60分)
学習内容
- ブレインストーミング
- 課題の構造化
- 原因分析
- 改善アイデア作成
- 複数案比較
- 実行案への落とし込み
習得できるスキル
- AIを思考支援ツールとして利用する能力
- 漠然とした課題を整理・構造化する能力
- 複数案を比較して実務案へまとめる能力
業務上の到達点
各自の職場に存在する業務課題をAIで整理し、改善案として具体化できる。
